帰りの電車はがらがらの午後13時30分。
このまま帰るのは物足りないから映画とか行こうかと調べるが、観に行くほどの気になる作品は上映されていなかった、あとお腹が空いている、食べ物も交互に調べなければ、そうこうするうちに普段の乗り換え駅を通り過ぎてしまった。
クリスマスソングが次から次へ流れる駅ビルのトイレに腰掛け、クリスマスソングを聴き流しながら一点を見つめてみる。
気合いを入れて立ち上がり、ひさしぶりにずっと行きたかったお気に入りのハンバーグ屋に行く。
荷物と分厚いコートを荷物バスケットに入れていると、店員のお兄さんが横に棒立ちになってそれを見守っている。
急かされているみたいでいやだなと少し苛立ちながら座ると、まだ背景で何やら動いている。
さりげなく振り返ると、店の出口付近にあったヒーターの顔をせっせとこちらへむけてくれていた。久しぶりに家族以外の他人の優しさに触れた瞬間であった。
平日のランチタイムだからサラダが出て来、得した気分になった。
そのあと、寒さと曇天のせいか頭痛がしてスタバに駆け込む。
腕時計を見ると、まだ会社を出て2時間しか経ってないのに遠くへ来てしまったみたい。
風邪で学校を休んだ子どもみたいだ。
隣の二人がけの席が空くや女子高生たちが来た。母校の子たちだ、あのネクタイをしている。二学期の期末テストを控えている時期、数学の判別式がどうなどと話していた。
私も高校のときスタバで勉強したことがあるけれど、あの特別感はなんなんだろうなと思い出した。テストが終わればクリスマス会だから、がんばれ、と心の中で伝えた。
冬の日没は早い。夕方16時。もう夜の気配。